本屋大賞受賞した宮下奈都のデビュー作を今書籍化した作品。実はレーザー読書でほめられていたから読んだんだなぁ。
とてもとても優しい話でした。これを大好きと言えるカズレーザーさんの精神が好きだ。
あらすじ：主人公は生まれつき足の不自由な男性。仕事終わりに寄るたいやき屋さんが美味しくて癒されて毎日通っているうちにたい焼き屋の女性店主に惹かれるようになる。その女性がある日交通事故に遭い、事故より後の記憶を保持することができなくなった。そこからはじまる男性と女性の”生活”の話。
事件のようなものは実はなにもないし、そもそもこの男女は付き合ってたわけでもない。「何も起こらない話」とカズ氏はいってたけど、起こっていないようで変化はおきている話。小説でしか表現できないと編集の方がいっていたけど、本当にその通りで、ゆっくりとした時間が流れていて心にゆとりと一筋の光を齎してくれるような話でした。すごく優しいの。毎日なんとなくダラダラ過ごしているような気がして損しているんじゃないかと何かに焦ったり、まだ何も成し得ていないと少しへこむような気持ちになる人には、ちょっと読んで欲しいかもしれない。何にもないとか何も変わらないってことはなくて少しずつ蓄積されていっていてそれは決して悪いことじゃない。確かに前に進んでいるんだと。明日を少し明るく生きれるかもしれない、そんな読後感でした。レーザー読書で褒めてるやつ全部読も〜！って思ったｗ
