脂肪という名の服を着て

脂肪と言う名の服を着て 完全版
安野 モヨコ
祥伝社
売り上げランキング: 8,407
やあっと読むことが出来ました。
脂肪という名の服を着て。安野モヨコの代表作ですよね。勝手に実写化されていると思っていたが、とくにその情報はない模様。岡崎京子ヘルタースケルターもバットエンドで後味悪いのに映画化されたからこれもあるんじゃないかな。
あらすじ:ぽっちゃり体系の花沢のこは、8年も付き合う斉藤くんという彼氏がいたが、職場のイケイケ同僚マユミと斉藤くんが一緒にいるのを見つけ、衝動的に食べ物を食らう。のこはストレスを感じると過食に走る傾向があったのだ。マユミはデブが何より嫌いで、嫌いな奴にはとことん苛め抜き犯罪も厭わない性格の持ち主でターゲットにされたのこはいじめに遭い、斉藤くんを寝取られ、会社も退社に追い込まれる。すべて自分が太っているからこんな目に遭うんだと考えたのこはダイエットをするが・・・。というお話。はっきり申し上げて救いはないです。なんともいえない後味を残します。
これ、刊行されたのが97年で実に20年も昔なんですね。今読みますと、のこのどんくささよりも、橘マユミという人格のほうが歪んでいて精神病を疑います。ここまでストレートに悪意ぶつけるほうが現代に於いてはヤベーやつとして浮くんだけど・・・ピーチガールのさえもそう。あそこまで行くと、主人公より敵キャラの異常行動が目立ちすぎる。ピーチガールは謎に今頃映画化されましたけど、ストーリーとして文字だけ追うともも(山本美月)がイケメンのカイリ(伊野尾)と付き合ってちゃんちゃん☆なんですが、原作読むとそれまで好きで付き合ってたとーじをさえに取られて大バトルが主ですから・・・話のメインとーじとさえですから・・・・主人公食っちゃうのいかんと思いますよw話ブレブレw
のこは一生懸命やせようと思って努力するんだけど、やせたら上手くいくんだ!との思いでやっていったけど、やせたところで何も変わらない。むしろ現状としては悪化してるの。心がデブ、性格の問題として片付けられたけど、不安になる終り方だったなぁ。マユミより先にのこが死にそうだなと思った。デブっていうのはノーテンキに限るよね。病んじゃだめだよね。。今は太ってる人が非難されない社会だからこれからデブは増えていくしぽっちゃりが普通みたいになっていくと思うけど、あたしは元々ガリで太りにくい体質だから痩せなきゃ!力つけなきゃ!とかいう強い強迫観念に晒されたことはないので分からない。体質で太りやすい人って人と同じ分食べても太るらしくてそれは同情するけど。ま〜〜でもすごい有名だし、1回は読んでおくべき書だと思いました。