2わ

#2


きいちごちゃんは想像してみました。
「もしかして、付き合っちゃうのかな」
なんだかドキドキしてきました。成功すれば、きいちごちゃんのはじめての彼氏です・・!
小さいとき、大好きだったアリーくんと再び逢えただけでなく、お付き合いできるなんて。夢が広がります。薔薇色の人生が待ち構えていると、きいちごちゃんは楽天的にもそう確信しておりました。


すると、アリーくんから葉っぱのお手紙が届きました。
「きいちごちゃん、今日会えない!?」
「えっ 今日だなんて急だよ・・別の日にしよう」
ついうっかり断りました。
今日、いきなりいうなんて、急ですよ。私、なんの準備もしていないのに。
と、心で思っていました。女の子はデートの前にいろいろな準備が必要です。相手にもっと可愛いと思ってもらって好きになってもらうために。とびきり可愛くいなくては。


きいちごちゃんはへびいちごに相談しました。へびいちごは普段は見えないのです。自分の心の中と相談です。へびいちごは、人間にとっては欠かせないものです。しかし、ここベリータウンでは少し違います。

「へびいちご、アリーくん私のこと好きなのかな」
「ちがうわよ、ヤリ目にきまってんでしょ」
「え?ヤリ目って何?」
「あんたを食べちゃいたいってこと。食べたら捨てられちゃうんだから」
「」

きいちごちゃんは絶句しました。
へびいちごの発言がとても衝撃的だったからです。そんな、あの優しいアリーくんに限ってそんな…
しかし、小さいころの思い出を振り返ってみると、わざわざ妖精の泉からベリータウンにきていたのは、おちたベリーを巣に運んでいるからでした。
きいちごちゃんが考えふけっていると、へびいちごが、
「まぁ、可愛ければ本命になれるだろうけどね。」



可愛ければ、か…
きいちごちゃんは参ってしまいました。きいちごちゃんは容姿や味に自信がありませんでした。きいちごちゃんには、いちごちゃんという大親友がいるけれど、彼女と比べると色んなことが劣っているように思えて仕方がありませんでした。
自分はカシスやクランベリーなどにも味が似ていて個性がないし、生で食べるとすっぱいし、いちごちゃんより知名度ないし、ぶつぶつしてるし…
どうしましょう、なんだかとても不安になってきました。


かわいいあの娘はへびいちご、甘くてすっぱいぞ